虎(牛)龍未酉2.1

記録帳|+n年後のジブンが思い出せますように……

35歳の後悔と、iTunes U

極めて珍しいことに、長い文章を書く気になったのでつらつらと書く。
結婚式と二次会に行って、昔のことを思い出したから、もあるだろう。
朝起きて、iTunes Uをみて衝撃を受けたこと、もあるだろう。
ビールを飲んで、つまみに食べた弁当がうまかったことも、あるだろう。
 
Anyway. 愛する子どもたちが、中学生ないし高校生になったとおもって、
いま思っていることを、タイムカプセルのようにとじこめて、届けるつもりで、
書く。今のところ、頭からぶわわっわわわっと書くつもりでいるので、
まあ、書き散らしである。言い訳みたいなことは書かなくていいよな。失礼。
 
まだ小学生×1と、幼稚園児×2であるところの、子どもたちよ。
結論。英語をやれ。
その2。じぶんのスタイルを見つけろ。 
 
今朝も4時に起きて、うだうだ「フリー」(クリス・アンダーソン)を読んで、
iPhoneiTunesをみて、びっくりした。
びっくりその1。CNNとかBBC(だっけ)とか、英語のニュース映像が
まいにちまいにち配信されているじゃん。
びっくりその2。MITとか、Stanfordとか、超一流大学の講義映像が、
配信されてるじゃん。
 
むかしむかしその昔、英語にふれるというのは難しかった。
ハードル高かった。
 
英語をマスターするのにいちばんいい方法は、とにかく
英語に触れることだ(とおもう)。イングリッシュマラソンとか
10000時間英語を聞くんだっけ?とにかく量は質を凌駕する。
ここ大事な話。
 
信ぴょう性をあげるために、あえて自慢話をする。
英語については、たいして得意だとは思っていないけど、
京都大学に入学するのに必要な程度の英語はラクショー、
専門分野の英語の論文は読める(読めた)し、
海外での英語での研究発表は大学院生の時に2回やったし、
社会人になって職務経歴書に書こうと思ってTOEIC受けたら
初回で780点だった。
映画の英語は、字幕付きなら60%わかる。
ニュースの英語は、ビジュアルがあれば半分ぐらいわかる。
スティーブ・ジョブズのキーノートスピーチは90%ぐらいわかる。
 
要するに、英語で飯食っていくわけにはいかないし、
それで稼ぐわけにはいかないけど、通常生活にはまったく困らないし、
ミッションクリティカルでなければ、日常レベルのコミュニケーションは
できる。ぐらいの感じ。
 
大事な話に戻るけど、量を稼げと。英語は質ではなくて量だ。
中学生のとき、同級生が、テストの点数をあげるために何をすれば
いいか?と聞いてきた。教科書をとにかく20回音読すればいいんじゃない?
って答えた。その結果、その同級生のほうが、テストの点数が良かった。
 
自分の話。高校生になったとき、1年間、「まったく単語を覚えない運動」を
ひとりでやった。とにかく、意味がわかってもわからなくても、
英語の文章を読んだ。教科書をとにかく読んだ。
単語帳をつくって、通学の電車で単語を覚える同級生を尻目に、
単語を覚えることを拒否した。
根拠は単純で、アメリカ人の子どもは単語帳をつくって単語を覚えるのか?
と自問自答して、答えがNoだったから。
アメリカ人の子どもはどうやって英語を覚えるのか?と自問自答して、
わからなかったから、自分はどうやって国語ができるようになったのか?
って自問自答してみた。これまた、嫌味なぐらい国語得意だったんだよね。
 
回答は単純で、とにかく読みまくったのだ。意味がわかってもわからなくても、
多少わからない言葉があっても飛ばして、読んで読んで読みまくったのだ。
単純に、楽しかったから。
 
それで、単語は覚えないことに決めて、教科書を読むことにした。
浪人生になったときには、「キャッチャー・イン・ザ・ライ」を
自習室でずっと読んでいた。そうとう誤読していたけれども。
星新一のショートショートも読んだ。(ちなみに日本語で読んだことはない)
村上春樹もたしか読んだ。パルプ・フィクションを読んだのは、もっと
大きくなってからだな。
 
それはともかく。なにが言いたいかというと、当時は英語に触れるといっても
なかなか難しかったわけ。たいして面白くない教科書。
英字新聞もとってみたけど、お金かかるし。
文庫スタイルの英語の本がではじめて、あれは良かった。
ペーパーバックは高かった。オーラルのニュースは見たくても見れなかった。
CD付きの本はあったけど、わりと高かった。
 
ところがだ。iTunesにいけば、英語のニュースなんて見放題やん。
iPhoneでも、Macでも、PCでもなんでもいいから、iTunesが使えれば、
ニュース見放題やん。英語浴びたい放題やん。
 
じぶんが今、中学生か高校生なら、意味がわかってもわからなくても、
とにかく英語のニュース、英語の映像を生で流して聞きまくる。
できれば興味のあるやつに絞って、聞きまくる。
スティーブ・ジョブズのキーノートスピーチを過去にさかのぼって
聞きまくると思う。
 
たぶんそれで、たいして努力せずに、興味のちからを借りれば、
英語はなんとかなると思う。
アドバイスをするとすれば、単語をどうしても調べるなら、語源を調べろ。
(ジーニアスが良い)
辞書をどうしても使いたかったら、英英辞典を使え。
(オックスフォードのアドバンストラーナーズがいいかな?)
 
HOWの話をずいぶん書いてしまったが、何をいいたいのかというと、
自分のスタイルを作れってこと。
勉強のやりかたを、他人にコントロールされるな!
勉強のやりかたを教えてくれる人の90%は、
勉強のやり方を失敗して、そこにいるということを忘れるな!
 
素朴な問いを立てろ、自分に対して。
その問いに答えたら、勉強法は、そこにあるのだ。
 
もうひとつは、勉強法を勉強しろ。
勉強ができる人の特徴は、勉強法マニアであることだ。
勉強ができない人は、勉強法を学ばない。
これ、意外と知られていない。
 
さて、ここまでが英語を学べって話。であり、勉強法をじぶんで作れ、って話。
 
 
こっからが本題。
 
今までの人生に、大変に満足しています。
お金をかけずに公立の学校ばかりですごし、
京都大学の理学部(偏差値で換算すると最高の高さだ)で物理をやって、
卒業式で総代をつとめて、
気候変動の研究をやってたけど、まあ諸所の事情があって
地球シミュレータに就職したくなかったのだ)
ビジネスの世界にはいって、システムエンジニアを経て
経営コンサルタント、同年代のサラリーマンでは
少しありえないぐらいの年収を頂いている。
ほかに考えられないぐらいのすばらしい妻がいて、
人生をかけて愛するに値する子どもが3人いる。
 
それでもライフプランニング上のリスクはもちろん抱えているけれども、
35歳までの人生は大変に満足している。
 
もう戻りたくはないし戻るつもりもない。
ただ、もしもやり直さなければならない状況になったと仮定して、
選択を変えるとすれば、大学院はアメリカかイギリスに行くと思う。
日本でサイエンスをやるのは、ばかげた選択だった。
ほかに選択肢があることを知らなかったことが、おろかだったと思う。
 
繰り返すけれども、今の人生にたいそう満足していて幸せなので、
後悔はまったくない。単に、IFの、可能性の話だけだ。
 
それでだ。びっくりすることにだ。
2010年には、
アメリカやイギリスにいかなくても、超一流の大学の講義を、
無料で受けられるのだ。
 
すごくない?
 
わたしは理科系、サイエンス系なので、そっち方面しかわかんないけど。
MITとかStanfordの講義を家で受けられるんだぜよ?
はっきり言って、アメリカの大学生のレベルは高くないので、
日本でいえば高校生レベルで十分講義を理解できるはずだ。
英語ができれば(iTunesつかってマスターしろ)。
英語の教科書も入手できれば(アマゾンで買え)。
 
今のところ、基礎的な、学部レベルの講義しかないみたいだけど、
専門分野の講義も、じきに公開されるだろう。
付可逆な流れになってる。すでに。
この流れはこれから10年、もっと加速するだろう。
 
日本の大学の講義が公開されることは期待するな。
公開されるかもしれないけど、レベルが高いことを期待するな。
USAの大学は、一流の教授が、一流のプレゼンをやって、フリーで
公開することのインセンティブが十分にある。
彼らのインセンティブは、超優秀な「働きバチ」(大学院生)を
リクルートすることにある。優秀な働きバチが手に入れば、
いい研究ができるし、いい研究ができれば研究資金を獲得できて、
研究室経営が成り立つ。研究資金を獲得するためにプレゼンの
腕を上げることは重要。超優秀な、自分のファンの学生を獲得する
ためにも、一流のプレゼンをやって、フリーで公開するのは
経済合理的行動だ。
 
日本の大学にはそういうインセンティブはないし、
たぶん10年単位ではそういう世界にはならないので、
しばらくは期待してはいけない。
 
超一流に接したければ、英語をやれって話。 
 
いやほんと、あと5年ぐらいすれば、
物理や数学の世界で、日本の高校生で超一流の仕事をするやつが
出てくるんじゃないのかな。
 
物理とか数学は、才能とセンスと没入具合の世界なので、
好きなやつが没頭したら、だれも敵わない。
没頭するだけの環境はすでに用意されている。
高校生でも入手できる安価なるコストで、
入手できる環境が。
 
おとーさんは、物理とか数学の世界しかわかんないけど、
ほかの世界も同様だろうと思う。
書道とか、仏教とか、座禅とか、フィジカルなものは
だめだけど、純粋脳みそ系のことに関していえば、
英語ができてネットが使えて、ほんとうに好きならば、
17〜18歳で世界と勝負できる。
世界一になる鍵は、今のところ英語だ。
英語を使えるようになれ。
 
正直に言うと、英語を使える重要性がいままでわかっていなかった。
そんなもん、高校生か大学生になってから、ちょっと本腰入れれば
なんとかなるじゃん、と思ってた。TOEIC 800点ぐらいまでなら、
ちょこっと本腰入れてやればいいだけじゃん。って。
それぐらいまでは、才能の問題じゃなくて、方法論の問題だと思ってたから。
 
考え方が変わった。世界にリーチするためには英語ですよ英語。
洗練されてなくていいから、英語。
英語に苦手意識がない、ってだけでOK。
興味をわかせる方法を身につけたら、あとはなんとでも
なるから。英語を学べ。英語がオモロイというポイントを見つけろ。
 
ま、フィジカルではなく、インテレクチュアルな世界で
戦いたければ、ね。