- Bose QuietComfort 35(QC35)
- Sony WH-1000XM5(XM5)
- 比較
- Sony WH-1000XM5 / Headphones Connect TIPS
- 現時点での比較結果
6年ぶりにノイズキャンセリングヘッドフォンを買い替えました。古きよきBose QuietComfort 35(2016年発売)から、最新のSony WH-1000XM5(2022年発売)に変更しました。
発売年が違うので比較に意味を見出すのはむずかしいかもしれませんが、この6年でユーザ体験がどのように変化したのか、また変化しなかったのかについて考えるのは興味深いことだと思います。
また、Boseのノイズキャンセリングヘッドフォンは、高い完成度を誇り、最新のQuietComfort 45になってもフォームファクターも機能もそれほど変わっていません。USB-Cになった程度です。この観点から、BoseとSonyのノイズキャンセリングヘッドフォンの体験をざっくりと比較することは、面白いかもしれません。
Bose QuietComfort 35(QC35)
2016年に発売されたBose QuietComfort 35(初代)の、Apple Store限定のミッドナイトブルーを使っていました。充電はマイクロUSBポート。限定カラーのため、細かいことですがイヤーパッドの交換には困ることがありました。ミッドナイトブルーのイヤーパッドは手に入りづらいため、黒色のイヤーパッドを使用することが多かったです。ただ、黒色でもそれほど違和感がなかったため、特に問題はありませんでした。
Sony WH-1000XM5(XM5)
2022年に発売されたSony WH-1000XM5。表記上は区切られていませんが、意味的にはWH-1000X-M5。シリーズの5世代目という意味のようです(たぶん)。
比較
音質について
まず、音質についての比較ですが、正直に言うとあまり違いが分かりませんでした。ノイズキャンセリングヘッドフォンは、騒音の多い場所で使用することが多いため、静かな環境で音質を比較することはあまりないからです。また、どちらの製品も高音質で、細部まで聴き取ることができます。
ただし、XM5の低音は、QC35よりもやや強く、迫力のある音質だと感じました。ただし、XM5にはイコライザー機能が搭載されており、設定に依存する気がします。一方、QC35にはイコライザー機能は搭載されていませんが、Boseが独自の技術で音質を調整するため、環境や再生しているデータに応じて自然に音質が整えられる感じがします。
ノイズキャンセリングについて
QC35のノイズキャンセリング性能に不満があったわけではありませんが、XM5のノイズキャンセリングは、ノイズキャンセリングの「キメが細かい」という印象を受けました。その理由として、XM5には多数のノイズキャンセリングセンサーが搭載されているため、様々な方向のノイズを効果的にキャンセルできるようになっています。また、歩いている時や止まっている時で、ノイズキャンセリングの方法を変更する機能があり、細かな調整を自動的にしてくれます。さらに、位置情報を取得して特定の場所でのノイズキャンセリングの方法を最適化する機能もあります。このような「細かさ」が、XM5のノイズキャンセリングを進化させていると感じます。
一方、QC35のノイズキャンセリングは、単に「高・低・オフ」などのレベルを指定するだけでした。ただし、QC35のノイズキャンセリングは、Bose独自の技術により環境に合わせて調整されるため、不満はありませんでした。Boseが「善きに計らってくれる」というのは、ユーザーにとっては安心感にも繋がります。
アプリについて


まず、Bose QuietComfort 35のアプリについてです。Bose Connectアプリを使うことで、ヘッドホンの設定をカスタマイズできます。例えば、ノイズキャンセリングの強度を調整することができ、また、ヘッドホンの電池残量を確認することもできます。アプリの機能としては基本的にシンプルです。
最もよく使う機能は、接続切り替え機能でした。同時に2つのデバイスに接続できますが、3つ目のデバイスを接続するときには、他のデバイスを切断する必要があります。そのためにアプリを開くことが一番多かったです。
続いて、Sony WH-1000XM5のアプリについてです。Sony | Headphones Connectアプリを使うことで、ヘッドホンの設定をカスタマイズできます。例えば、ノイズキャンセリングの強度を調整したり、イコライザーの設定を変更することができます。アプリとしては比較的複雑です。
タブが3つあり、最初のタブにはサブタブが4つあります。サブタブの下には設定項目がたくさんあります。バッジ獲得などゲーミフィケーション要素まであります。アプリが使いにくかったりわかりにくかったりするわけではありませんが、Boseから移行してくる場合は、ヘッドホンの使用なのだからもっと単純でよい思うこともあります。それでも、興味深い機能が多数あって、楽しくはあります。
持ち運びについて


QC35と比較してXM5のほうが本体も大きいですし、なによりケースを含めた体積が大きいです。ケースは若干薄い部分はあるのですが、なにしろでかい。
Sony WH-1000XM5 / Headphones Connect TIPS
Sony | Headphones Connectアプリを使うにあたって戸惑ったことをメモしておきます。不満というほどではないですが、あまりウェブにリソースがなく、調べるのに時間がかかってしまったので。
Sony IDとSony Account
WH-1000XM5ヘッドフォンの製品のサポート登録(製品登録)で登録するのはMy Sony ID。Headphones Connectアプリのサインインに使うのはSony account。両者は異なるアカウントであり、それぞれの機能やサービスが異なるため、使い分けが必要だそうです(ChatGPTに聞きました)。
My Sony IDは、ソニーの製品やサービスを利用するために必要なアカウントであり、Sony accountとは別のものです。My Sony IDを作成することで、ソニー製品の登録や修理受付、製品の保証期間の確認、ソニーのサービスの利用などができます。 一方、Sony accountは、PlayStationやMusic Unlimitedなど、ソニーの各種サービスを利用するためのアカウントです。Sony accountを作成することで、各種サービスにログインし、音楽や映画を視聴したり、ゲームをプレイしたりすることができます。 なお、My Sony IDとSony accountは、同じログインIDとパスワードを使用することができます。ただし、それぞれのアカウントの機能やサービスは異なるため、使い分けが必要です。
さらに、これはこちらの問題ですが、プレイステーション用のアカウントもSony Accountでした。プレステがSONYの製品であることをすっかり忘れていて、ログイン画面に複数のアカウントが表示され、戸惑いました。3つのIDの関係性にしばらく悩んでいました。
デバイスに名前はつけられません
Boseのノイズキャンセリングヘッドフォンには愛称をつけられます。Sony WH-1000XM5はつけられません。iOSのBluetooth設定で名称を変更しても、Headphones Connectに反映されません。
起動は電源ボタン2秒押しです
起動方法がわからず、しばらく困りました。わかったあとも、NC/AMBボタンと押し間違えやすく、まだ戸惑っています。
早送り巻き戻し機能があります
タッチセンサーコントロールパネルを前(後)にスワイプ・停止で、早送り(巻き戻し)。上(下)にスワイプ・停止で、音量を連続的に上げる(下げる)。
この件はHeadphones Connectアプリのチュートリアルには書いていなくて。調べ方が悪いのか、ウェブで調べても意外と出てこなくて。公式ヘルプに書いてあるのを発見して感激しました。
WH-1000XM5 | ヘルプガイド | 音楽再生時にできること(Bluetooth接続)
公式ヘルプ
Sony | Headphones Connect | ヘルプガイド | トップページ
現時点での比較結果
XM5をまだ長く使っていないため、戸惑いがありますが、QC35とXM5を比較して、個人的にはQC35が好みです。QC35はシンプルで、使いやすく、自動的に最適な設定にしてくれるので、気に入っています。XM5に不満がわるわけではなく、これからも使い続けます。もしアメリカ在住ならQC45に乗り換えるかもしれませんが、日本では返品ができないため、今のままにしておきます。
XM5には素晴らしい機能があり、アプリを通じて細かくカスタマイズできるのも魅力的です。ただ、もう少しカスタマイズの選択肢がほしいと思うことがあります。例えば、デバイスに愛称をつけたい、タッチセンサーコントロールパネルの動作をカスタマイズしたい、クイックアクセスボタンの機能をもう少し選びたいといった具合です。いっそのことAPIを公開し、パワーユーザーがハックできるようにしてほしいと思います。
XM5に不満が多いように聞こえてしまいましたが、実際にはXM5をよろこんで使っています。ただ、個人的な好みとしてはBoseの方が合っていると感じます。それは製品哲学に対する好みの問題であるため、比較すること自体が難しいですね。