- 作者: 梅田望夫,茂木健一郎
- 出版社/メーカー: 筑摩書房
- 発売日: 2007/05/08
- メディア: 新書
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・目的:梅田望夫氏のものは「取りあえず読む」。
相手が茂木健一郎氏というところがボトルネックになっていたが
本屋で見て、よし、読むか、と。
・結果:シリコンバレー精神、ウェブ進化論、ウェブ人間論に続き、期待を裏切らない。
ウェブ進化論を読んで、mixiからはてなダイアリーに変えた。
デジカメの写真も、いろいろ考えて、「あちらの世界」に置くように
切替えつつある(アクセスオープンにはしてないのでウェブ2.0とはいえない)。
なんだかんだと影響受けてるじゃん。と気づくわたし。
・以下雑感。
(1)異様なテンションの高さとポジティブさと熱気が良くって、でもそれは
(言われれば当たり前だが)逆風にさらされながら、それでもスタンスとして保ち
続けているというのが、えらいなあと思う。個人的性向もあるのだろうけれど、
そうとう意識的にやってんだろうなあと思った。
(2)梅田氏がはてなの取締役になるときスターウォーズを観ろと言われたという
エピソードがどっかに書いてあって、違和感を感じて、はてなの友だちに
電話して聞いたのだけれども、笑い声は聞こえたけど電波が悪くて何言ってるか
わからずじまい。私の記憶にあるコンドー氏はヴィム・ヴェンダースの「パリ・テキサス」
を持ってきた人。あと何本か持ってきたはずだけれども、忘れた。
薄暗い半地下の重力測定室で、1996年夏、ウィンブルドン女子準決勝
伊達公子vsシュテフィ・グラフ戦と「パリ・テキサス」を観たというのが、セットで
私の記憶にしまい込まれてる。
(3)P.21 リーズナブル⇒リーゾナブル:リーゾナブルという表記はあんまり見たことない。
筋が通ったという意味ではリーゾナブルが流行るか?とおもってスペースアルクで
調べたらリーゾナブルという表記が載ってた。一般的になってるのか?
(4)P.46 ゴードン・ベルの話。あるべき姿が高ければ、怒るんだよなあ。いや怒らなくても
いいんだけれども。
(5)P.54 グーグルは日本にとって「黒船」:5年前に会社に入るための志望動機に
グーグルを例に挙げて、こういう仕事がしたいと書いた。わかるんだけどさあ、と
言われたけれども、伝わってなかったんだなあ。だって、書いた自分だって、
ほんとうの意味ではわかってなかったのだし、今だって、まだまだわかっていないと
思う。ただ言えそうなのは、オープンソースコミュニティに片足突っ込んでた
感じからいって、グーグルは「こいつは信じて大丈夫そうだな」という臭いがまだ
する、ということか。
しばらくグーグルの時代になるっていうのは、表面的・実感的にはよくわかる
のだけれども、じゃあどうなるのかというのが、具体的には見えないのが、
おもしろいなあ。まともだからこそビジネスとして成功してほしいのは、rimo、Wii。
(6)P.68 スティーブン・タイラーのアメリカ国歌:steven tyler national anthemでは
ひっかからず。時間かかりそうなので今日はパス。ジミ・ヘンドリックスのウッドストック
は見つかった……。
(7)茂木氏、テレビで見ると怪しい人だが、文章で読むと、まともな人のようだ。
(まだ疑ってる)
(8)P.81 人間の知性の価値に関するロマンティックな思い込みが、グーグルの
ページランクアルゴリズムの前で敗れたとも言える。
(中略)パラダイムを変える技術と、グーグルに吸い込まれる技術がありますが:
なるほどー。このあたりは深そうだ。技術の問題というより、思想の問題という気は
する。が、グーグルに思想があるのかというと、それがいわゆる今までの常識で言う
ところの思想ではないところが、新しくて、おもしろいのだと思う。
うまく説明できまへん。
(9)P.126 「フューチャリスト同盟」:このポジティブさが、意識的なものだと理解される
までに時間がかかるだろう。この本自体も、ウェブ進化論、ウェブ人間論よりも
受容までに時間がかかるんじゃないかという気がする。梅田氏のすごいなあと思うのは
そのポジティブさにあまり「無理してる」感がないところかなあ。
過去の「モノ言うアイコン」達には、無理してる感がひしひしとあったもんなあ。
(10)P.147 本は(中略)錨をおろすリファレンス・ポイント:ほーと思って考えた。
アマゾンのロングテールのおかげで、本は「なんとかしたら入手可能」なものに
なったから、リファレンス・ポイントの位置を占められるようになったのでは
ないかなあ。はてな日記のはまぞうで参照するときにも、楽天を使わずに、
アマゾンを使おうと思ってしまう。楽天というもの永続性を、根本的には信じて
いないんだと、思う。アフィリエイトというのをやってないし、今のところは
やるつもりもないので、そこには単に、信じられる・信じられないの差しかないのだ。
(11)P.149 インターネットは「言語以来」:これもなるほどーと思って考えた。
わたしにとっては、今のところ「文字以来、紙とペン以来」かな。
半永久の外部記憶装置。
mixiから数えると半年以上、週に1回は記録を残している。最初は週次セルフ
マネジメントに使おうと思ったが、不適切なことがわかった。
次は家族に自分をオープンにしようと思ったが、関心がないことがわかった。
次はあんまり目的なく、それでも内なる声?に従って使っていて、
ふとあるとき気が付いたのだけれども、忘れるために書いてるんだなあと
いうことがわかった。
幼稚園の親つながりで読みに来る人も増えてきたけれども、まあそれは
偶然なことだ。
(12)P.154 談合社会の中に入って仲間になれという圧力:
コンサルタントになって、さっさと「あのかたまり」を抜けてよかったと
しみじみ思ったけれども、談合社会という枠組みの中には、まだおるわなあ。
組織変革のプロにはなりつつあるが、社会変革にはまだなってないということか。
理学部で研究やってるときは「百年後を考えられるのはおれらしかおらん」
とうそぶいていたけれども。
(13)終盤に、お2人の講演会の記録が残っているのは、これは素晴らしいアイディア。
この本は不完全で荒削りだけれども、間違いなくすばらしい1冊で、
講演会の記録を載せるというのが完璧な抑えになっていて感服した。
ウナギ丼の粉山椒みたいな役割でゲス。なくても食べられるけど、いちど味を
知ってしまえば(かつ好みにあえば)、ないことが信じられねえといいますか。
思いついた人すごいです。尊敬です。
(14)明らかに外部条件が変わっているなかで、じぶんの目的に近づくためには、
このままじゃいけんのだろうなあと思った。みつきとかコンドー社長とかに
会って話を聞くというのがNext Phisical Actionなのだろうが、
(もちろん先方のつごうもあろうが)本を読んで1週間も経ってやってない
ということは、まだそのときではないのかもしれぬ。
フォースではないけれども、もうしばらく心の声に耳を傾けてみよう。