これはLLMによる記事作成の実験です
盛大なヤク・シェービングだったのである。
ヤクシェービング(ヤクの毛刈り)とは、ご存知の通り、本来やりたいことの前に発生する準備作業の連鎖のことである。やたら手間のかかる無関係なタスクに巻き込まれるたとえとして使われている。
大阪万博の開催を記念して、ブルーインパルスが飛ぶので、見に行かないかと友だちに誘われていた。日曜日は畑仕事があるので丁重に断った。春の畑はやること山積みなのだ。ところが当日は強風で、ブルーインパルスは飛ばなかった。友人は、渋滞のなか万博公園に行って、強風に吹かれて、また渋滞のなか帰ってきた。LINEで渋滞の車の写真が送られてきた。
よほど悔しかったのだろう、2日後に、「ブルーインパルスのテスト飛行のときの動画があった!」とうれしそうなLINEが来た。360°動画だった。
せっかくなのでVRゴーグルで見ようとおもったのが運の尽きだった。
メタクエストを起動すると、まずメタアカウントとデバイスを連携せよと言われる。指定されたサイトに行って、アカウント登録するが、過去の履歴と一致しないのでダメだと言われる。以前はフェイスブックのアカウントでデバイス登録だった。それがメタアカウントになったのだが、ぼくのフェイスブックアカウントは、この3年でメールアドレスを変更していて、追跡できないのが原因だった。
さまざまな解決策オプションを検討し、最終的に、フェイスブックのメールアドレスを一時的に古いアドレスに戻し、メタアカウントをつくり、メールアドレスをまた新しいのに戻す手順を取ることにした。細かく書かないが、安全に進めるにはものすごく細かい手順が必要だ。
何をして、どこがダメだったか、どれはOKだったか、覚えきれないのでObsidianのノート(タスクログと呼んでいる)にひとつひとつ記入しながら進めた。
【メタクエスト ヤクシェービングログ(一部抜粋・手書き風)】 - Meta Quest2、久々起動 → 接続エラー。購入履歴もおかしい。 - 原因調査:旧Facebookアカ(So-netメアド)で購入してた。が、現FacebookアカはGmailに変更済。これで紐づかないっぽい。 - 試行1:現GmailでMetaアカ作成 → やっぱり購入履歴なし。このMetaアカはパスワード設定して削除…。 - 試行2:FacebookのメアドをSo-netに戻そうとするも、UIからプライマリ設定できず。Gmail一旦削除でSo-netをプライマリ化。 - 試行3:So-netメアドのFacebookアカで再度meta.com/deviceからMetaアカ新規作成。 - Quest2のコード入力 → やっと連携成功!購入アプリ復活! - 仕上げ:FacebookメアドをGmailに戻す作業。MetaアカからもSo-net削除しGmail一本化目指すも「使用中」エラー。 - (LLMに相談しつつ、時間をおいて再試行などの手順を確認) - 結果:最終的にVRゴーグルで360°動画視聴。本当に長かった…。
(※実際のタスクログのスクリーンショット(個人情報マスク済)があれば、より臨場感が出るだろう)
ブルーインパルス動画は堪能した。だがObsidianに残ったこの、よりリアルな(そして、より疲れる)タスクログを見て思う。「頑張ったな、俺。で、この記録、本当に役に立つのか?」と。
このタスクログ自体は、紛れもなく「ぼく自身のオリジナルな情報」だ。ぼくが体験し、ぼくが記録した一次情報なのだから。だが、人気ブロガーShin (I am Shin)氏の言葉を借りるなら、この「オリジナルな情報」が、果たして自分自身の血肉となっているだろうか。
Obsidianに自分自身のオリジナルな情報が含まれているか?
そう、オリジナルな情報ではある。だが、このままだと、ただの「作業記録」で終わってしまい、そこから得られるはずの「知見」として昇華されない。これでは非常にもったいない。
では、どうすれば、このタスクログを「知見」へと昇華できるのか。 そのための「ひと手間」こそが、「なんでこんな面倒なことになったんだっけ?」「次にやるとしたら、何を気をつけるかな?」といった『問い』と、その時点での『ほんのちょっとした気づきや反省』を「仮の答え」として意識して書き加えることだ。 これを「QSA(Question-Structure-Answer)」的なアプローチの第一歩と考えてもいいだろう。
今回のメタクエストなら、こんな感じだ。
- 問い1: そもそも、なんでメアド変えただけでこんな大騒ぎになるんだ?昔はもっと単純じゃなかったっけ?
仮の答え1: たぶん、アカウント連携の仕組みが昔よりずっと複雑になってるんだろうな。セキュリティとか色々あるんだろうけど、ユーザーとしてはもうちょっと簡単にしてほしいよな、マジで。
問い2: 今回みたいに久しぶりに使うサービスでハマらないようにするには、どうすりゃいいんだ?
仮の答え2: 「使う前に、アカウント周りの仕様が変わってないか軽くググる」とか?いや、そんな毎回やらんよな…。とりあえず、ログイン情報(どのメアドで登録したかとか)だけはちゃんとメモっとく、とかかな。初歩的だけど。
問い3: あの時、LLMに相談してなかったら、どうなってたかな?
- 仮の答え3: もっと時間かかったか、最悪あきらめてたかも(笑)。ややこしい手順の整理とか、精神的な安心感はデカかった。持つべきものは優秀な壁打ち相手だ。
--- Q1: なんでこんな面倒に?昔は単純だったのに。 A1: アカウント連携が複雑化しすぎ。ユーザーにはつらい。 Q2: 次にハマらない対策は? A1: ログイン情報くらいはちゃんとメモっとく(基本)。 Q3: LLMいなかったら? A3: 詰んでたかも(笑)。手順整理と精神安定に感謝。 ---
(※「問いと仮の答え」を追記した部分のスクリーンショットや上記コードブロック表現があれば、より具体的だ)
この「問いと仮の答え」を書き出す「ひと手間」。ごく簡単な、その場で感じたレベルのことでいい。これが、タスクログを「知見」へと変える。なぜなら、生ログが『何が起きたか』という『事実』の記録に留まるのに対し、QSAはそこから『なぜそうなったのか(問い)』そして『だから次にどう活かせるか(仮の答え)』という『学びの構造』を引き出すからだ。 これこそが、思考のプロセスを記録し、未来の自分が参照できる形にするということなのだ。
重要なのは、「仮の答え」は間違っていても、不完全でもいい、ということだ。 その不完全さこそ、後で見返したときの自分自身の成長や変化への気づきとなる。そして、その気づきが、ツールが自動で生成するタグやリンクに頼るのではなく、自分自身の頭で紡ぎ出す、内発的な思考のネットワークを育んでいく。
Obsidianは単なる情報置き場ではない。自分自身の「問い」を育て、思考を深めるための「アトリエ」なのである。このQSAという「ひと手間」を手で書くのが面倒なら、それこそLLMに「このログからQSAでポイント整理しといて」と投げてみるのもいいだろう。それもまた、知的生産の一つの形だ。
今日のヤク・シェービング記録も、「問い」と「仮の答え」を書き加えたことで、ただの苦労話から、未来の自分への小さな「知見」に変わったはずだ。さあ、あなたのObsidianにも、「あなた発の問い」と「その仮の答え」を刻んでみてはどうだろうか。ノートの価値が格段に上がるはずだ。そうすることで、次にまた別の、あるいは似たようなヤク・シェービングに遭遇したとき、ぼくたちは少しだけ賢く、少しだけマシな方法でその毛を刈ることができるかもしれない。
この複雑な現代、ヤク・シェービングからはもはや逃れられない。せめてストレス少なく毛を刈れるようにはなりたいものである。