はじめに
クライブ・トンプソン『Coders』すばらしい本だった。日本語訳もとても読みやすかった。それなりのテーマなので、すらすら読むわけにはいかなかったけど。
対象テーマも、表現手法も、なにもかも違うけれど、「リアルタイムで起きている大きな現象に対して、筆者が息を潜めて声を聞き取ろうとしている」という意味で、村上春樹『アンダーグラウンド』の読後感を思い出した。まあぜんぜん違うけど。
後半章の論旨、忘れそうなのでメモ。
- はじめに
- ch.07 The ENIAC Girls Vanish(消えたENIACガール)
- ch.09 Cucumbers, Skynet, and Rise of AI(キュウリ、スカイネット、AIの蜂起)
- ch.10 Scale, Trolls, and Big Tech
- その他
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あ、AppleのKeynoteを長年見続けているが、最近感じる違和感の原因が少し分かった気になった。
ch.07 The ENIAC Girls Vanish(消えたENIACガール)
コーディングの世界は女性が切り拓いてきたが、そのことは忘れ去られ、見せかけのメリトクラシー(能力主義)、白人男性の世界になっている。
ch.09 Cucumbers, Skynet, and Rise of AI(キュウリ、スカイネット、AIの蜂起)
- AI(ディープラーニング)は訓練データを集める際のバイアス、訓練データ自体のバイアスにより「偏見」を抱えがち
- そもそも、過去の体系化であり、未来を作るものではない
- スーパーインテリジェンスに対しては見解が分かれている
ch.10 Scale, Trolls, and Big Tech
- ビッグテックのサービスは、スケール追求によるメリットの一方で、悪用に便利なツールにもなっている。また、個別のユーザに注意を払うことはない
- 倫理的側面が抜け落ちるのは、工学の特性
- ビッグテックが共通した挙動を示すのは、だれが書くか(コーダーのバイアス)、だれが資金を出すか(ベンチャーキャピタリスト)、どこで稼ぐか(広告)が共通しているから
その他
日本とはどこが違ってどこが同じ? 時間差でけっきょく同じになってくるのか?
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Coders(コーダーズ)凄腕ソフトウェア開発者が新しい世界をビルドする
- 作者:クライブ・トンプソン
- 発売日: 2020/09/30
- メディア: Kindle版