- 作者: 百田尚樹
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2011/07/15
- メディア: 文庫
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1)ドーキンス
ワトソンとクリックによるDNAの二重螺旋構造が提示されたのが1953年。
ハミルトンが血縁選択説を提示したのが1964年。
マリアが2009年。サイエンスがものがたりになるのに、33年〜56年かかる。
2)一と二
虫は生きることの矛盾がない一(ひとつ)の存在である。
いわゆる知的能力の高い人間は、言葉によって分離された二(ふたつ)の存在である。
二の存在は、一の存在を希求し、ムシや数学やブンガクや物理や化学や生物の世界に足を踏み入れる。とくに若いときには、そういったものしかないから。
3)話法
百田尚樹さんは、どうやってこのような話法を手に入れたのだろうか?
ハリウッド的、典型的な小説ではないが、大変に魅力的な構成である。