虎(牛)龍未酉2.1

記録帳|+n年後のジブンが思い出せますように……

【09B032】国取り物語 第2巻 斎藤道三(後編)

司馬遼太郎

西ノ京より出て、美濃に没した斎藤道三
美濃に発して、西ノ京にやってきたわたしとして
関心が持てそうなやつとして選んだわけだけれども
それにしても面白い。
 
で、司馬遼太郎の「信長」が読みたいなあと思って、
本の後ろのほうの「既刊の案内」を眺めてたらないんだなこれが。
さすがの司馬遼太郎も信長を描くのは難しいのかなあ。
それとも違う文庫から出ているんだろうか。
と思っていたら、
なんのことはない、国取り物語の3巻・4巻が信長編であった。
 
以下おもしろかったこと。
・斎藤というのは、藤原氏があまりに多くて、呼び分けの必要から生まれた。
 伊勢の斎宮の世話をする役所の長官(斎宮寮頭)の藤原さんだから斎藤。
 加賀の藤原さんだと加藤。
・「機運が来るまでのあいだ、気長く待ち、あらゆる下準備をととのえて
  ゆくものが智者」といい、
 「その機運がくるや、それをつかんでひと息に駆け上がるものを英雄」という
マキャヴェリいわく、人間とは
 1)恩を忘れやすく 2)移り気で 3)偽善的であり
 4)危険に際しては臆病で 5)利ののぞんでは貪欲である
 君主というものは、愛せられるべきか、怖れらるべきか。
 常識的に考えれば両方兼ねるがよいということになろうが、
 その域に達するのは困難なこと。
 だから君主にしてそのどちらか一つを選べということになれば、
 愛せられるよりもむしろ怖れられるほうがよく、
 またそのほうが安全である。
 人間は本来偽善的であるというのは、つねに名分がほしい、
 行動の裏づけになる「正義」がほしいということ。
・「人の一生も、詩とおなじだ」「なかでも、転がだいじである」
 「この転をうまくやれるかやれないかで、人生の勝利者であるか、
  ないかのわかれみちになる」
  ⇒プロマネの仕事って、転をやることに尽きるような気がする。

国盗り物語〈2〉斎藤道三〈後編〉 (新潮文庫)

国盗り物語〈2〉斎藤道三〈後編〉 (新潮文庫)