虎(牛)龍未酉2.1

記録帳|+n年後のジブンが思い出せますように……

“ポケモン おこづかい ビジネスモデル”

龍が、いきなり(だかなんだかは知らないけど)、ポケットモンスターのルビー・サファイア・エメラルド・ファイアレッドリーフグリーン、なんでもいいから欲しい!ということで。いろいろよく聞いてみると、いま自分が持っているパールのポケモン図鑑を増やしたい、らしい。2週間前まではポケモンレンジャーバトナージが欲しいと言ってたんだけれども、バトナージはいいから、昔のポケットモンスターシリーズが、ほしいらしい。

ポケットモンスター ルビー

ポケットモンスター ルビー

ポケットモンスター サファイア

ポケットモンスター サファイア

インターネットで調べたら、アマゾンのルビー・サファイアがだいたい送料込1,800〜2,000円ぐらいでいちばん安いほう。ところが龍はお小遣い制なので、買いたければ好きに買っていいかわりに、足りなかったら一銭たりとも援助なし。手持ち金が1500円ぐらいなので、アマゾンでは買えない! 送料がなければなんとか買えそうなので……「アマゾンの店に行かれへんの?」と食い下がる龍。それは無理というものだ!

午後に、それじゃあということで……

2人で近くのゲームショップへ。最初に回った3軒では、そもそも置いていないか、3,300〜5,000円、手が出ない!最後に行ったところでは、ようやく箱・取説無しの裸売りをやっていて、ルビーとサファイアは1,554円で売っていた。しかし!手持ち金をもう一度数えてみると、1,457円しかない! 50円の寄付をお小遣い帳に記入していなくて、計算が狂っていたらしい! 100円ぐらい貸してあげたいと思ったものの、ここは心を鬼にして、「ないもんはしゃあないわなあ」とばっさり切り捨てる父(私だ)。

あきらめきれない龍は「なんとか、100円、安くしてくれへんかなあ……お店の人に聞いてみる」。龍よ、そこはフリーマーケットではなく、チェーンのゲームショップなのだよ。レジ打ちの店員にはその権限はないから、難しいぞ。と思うが、それでもいちおう言い方を練習させて行かせてみた……。もちろん撃沈。あっさりと断られたらしい。しょうがないよな。

長時間うろうろして疲れたし、慰めと景気づけにキリンレモン150円を2人で飲みつつ、「この150円があれば買えるのになあ」と残念がる父と子。「あと100円が……」「100円に泣く日やなあ」。なにやってんだか。家に帰ってお母さんに報告、「まあそれでも、お小遣い制をやってるから、買おうと思えるチャンスがあるだけラッキーよなあ。ふつうやったら誕生日まで待たなあかんもんなあ」。さすがお母さん、ナイスフォロー。たしかにあと2週間待てば、間違いなく買えるのだからネ。

以上は、お小遣い制での希望と失意の話。
それはそれとして、ポケットモンスター、過去のソフト(6年前だ!)でも、安くならないというのはビジネスのやり方が、うまい。うますぎる!

宮本茂専務が、かつてインタビューで、中古ソフト問題について、“中古ゲーム市場が良いとか悪いとか、中古ゲーム屋さんが良いとか悪いとかじゃなくて、要するに買った人が、終わっても売りたくないようにすればいいんでしょ”という主旨のことを仰っていて。ほんとうにこれこそが「根本原因に対する対策」だと思うし、その姿勢を一貫して貫いている任天堂って、ビジネスをする会社として、すごいよなあと思う。

ポケットモンスターの場合、1本にセーブは1データのみで、つまり「自分の」ポケモンコレクションを作るのだという姿勢が明確(技術的にはセーブデータなんて3つでも5つでも好きに作れると思うんだけど)。しかもコレクションされる図鑑は、誰一人同じにはならない、世界でひとつの図鑑。愛着湧くって。終わっても(とくに子どもなら)人に渡して消されたくないって。加えて、後続シリーズにデータを持っていけたり、後続シリーズでもおまけ要素が出てきたり、「持っていると後々なんだかんだで良いことある」というごほうびも必ずあるし。

ポケモンのビジネスのやり方はあまりに素晴らしくて、きっと数年後にはビジネススクールのケーススタディでも取上げられるんだろう(もう取上げられているのかなあ?)。多メディア展開だとか、サードパーティとのアライアンスのやり方だとか、世界戦略であるとか、いろんな切り口があるんだろうけれど、とりあえず「所有したく/しておきたくなるソフトウェア」のことで今日は感心しました。この点について、追いついているソフトウェア屋さんは、今のところ全く思いつかないです私は。