- 出版社/メーカー: カプコン
- 発売日: 2007/04/12
- メディア: Video Game
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読書っていうか、映画もゲームもぜんぶ読書の括りで。
?リバーヒルソフトのアドベンチャーゲームの正当な後継者は逆転裁判なり。
?ゲームというメディアでしかできない表現を、最高のレベルで達成しているなり。
わたしの大雑把な歴史認識によると、アドベンチャーゲームというのは、
ビデオゲームが登場した初期から存在した。ゾークだかなんだか名前は
忘れたが、テキストアドベンチャー全盛時代というのがあって、
「ローグ」が登場するまではそういう時代だったのだ。
生き物で言うとゾウリムシみたいなやつだったのだ。
そのゾウリムシを、いきなりウサギぐらいに進化させたのがリバーヒル
ソフトであった。たぶん。
テキストアドベンチャーの文法に、本格的な推理サスペンスを乗せ、こってりと
濃厚な人間関係を絡み合わせた、ふか〜い世界を作った。
このディープさは、小説や映画やドラマでは誰もついていけない種類のものであり、
ゲームというメディアの性格を存分に生かしたものであった。
リバーヒルからは、JBハロルドシリーズ、大正ロマンっぽいシリーズ
(主人公の名前忘れた……)とかいろいろ出て、どれも人気があり、
「マルチメディア」ブームの時には、インタラクティブ性にフォーカスがあたって
PC、Mac、セガサターン、プレイステーションでも「マンハッタンレクイエム」が
発売された、はずだ。たぶん。
リバーヒルソフトが沈黙した後、チュンソフトの「街」とかはあったが、
基本的にアドベンチャーゲームは、進化のどんづまりにいた。
せいぜいエロゲー用の「安あがりにゲームを作れるシステム」でしかなかった。
進化の末路から、ふたたび立ち上がったのが「逆転裁判」シリーズ。
ゲームでしか表現できねえんじゃねえかという、独特のキャラクターたち。
いつでも絶体絶命のサスペンス・ややこしい人間関係・逆転につぐ逆転。
大阪人チームならではの、ボケ、ツッコミ、笑い。
「裁判もの」「法廷もの」ということで知的なイメージをまとい、
ゲームボーイアドバンスにて1〜3までが生き延び、
経営的にきついカプコンの貴重な収入源となり(ほんまかいな?)、
そしてニンテンドーDSの普及にともなって50万本オーバーのヒット。
概算だけれども粗利で5億。(小売希望5,000円、粗利20%と想定)
利益の話はともかく、4も期待を裏切らずおもしろかった。
すばらしいアウトプットは、「いかに捨てたか」で判断できると思う。
いったいこの「逆転裁判4」では、どれだけのアイディアが捨てられた
ことだろうか。(手ごたえ的に、アイディアの廃棄率は過去最高では
なさそうだけれども。)
開始から終了まで、ムダというものがほとんど感じられない。
ともかく、巧舟氏の渾身の一撃に感動したですよ。