【11B026】人生で大切にすること(ビルゲイツシニア)

人生で大切にすること

人生で大切にすること

メアリーの手紙
メリンダへ
あとほんの数時間であなたは結婚し、わたしたちは同じ名前になりますね!ビルとわたしは結婚してから四二年になりますが、いまもなお結婚というものについて日々、学び続けています。
「愛し、慈しむ」
彼の長所を褒めてあげてね。でも彼のすべてを愛さなくては、などと思わなくてもいいのよ。改善すべき点もきっとあるはず(それは母親であるわたしがしくじった部分ね)。覚悟してほしいのは、夫の短所を直すのは長期戦だし、かならずしも成果がでるとは限らないということです。時には相手に期待する気持ちを見直すほうが賢明といえるでしょう。
「いい時も、悪い時も」
波風ひとつ立たない日々を期待してはいけません。勇気が湧いてくるように祈りましょう。ユーモアのセンスを忘れないでね。男女が完全に調和した結婚の例は一つもないのですから。よい結婚に必要なのは、努力と回復力と個人のエゴを抑えること。そしてなにより、この人とは永遠の絆で結ばれているという思いを忘れないこと。
「富める時も、貧しい時も」
この言葉はまさにあなたたちのためにあるようなものです。自分たちが置かれた状況を謙虚に受け止めることを忘れていないかどうか、日々試されるでしょう。並外れた資産には並外れた責任がともないます。つまるところ、ふたりで歩む人生は、その責任をどう果たすかという問いにたいする答えとなるのです。
「病める時も、健やかな時も」
あなたたちも知っている通りこの数カ月間は、病気の時も健康な時もおたがいの傍らにいるという約束を真正面から考える機会となりました。この試練を経験して、わたしたちの関係はさらに奥行きを増したのです。
 
むろん穏やかな時ばかりではなかったけれど、ビルと結婚しなかった人生など想像がつきません! いまから四二年後に、あなたもわたしと同じ気持ちをあなたのビル・ゲイツに抱いていますように。
愛をこめて メアリー

 

エミーとスティーブへ
あなたたちは神様からの贈り物です。母親がどれほどわが子を愛するのかを教えるために、神様はあなたたちを授けてくれたのでしょう。この世で母親ほどわが子をよく知る者はいません。わたしはだれよりもあなたたちを理解していると信じています。そしてこれからも、心のなかで信じ続けます。あなたたちのおばあちゃまがそうしてくれたように。
わたしを、トレイおじさんを、クリスティおばさんを、おばあちゃまは心の底から無条件に愛してくれました。あなたたちを授からなければ、そんな愛しかたをわたしは知らないままでした……。
おばあちゃまが亡くなる数カ月前に、あなたたちに手紙を書いてほしいとお願いしました。「祖母から孫に伝える人生の知恵」を書いてくださいと。けっきょくそれは実現しなかったけれど、わたしがおばあちゃまに代わって書いてみましょう。
 
知恵その一 家じゅうの時計を八分進ませておきなさい
時間通りに行動できるように、おばあちゃまは上手な工夫をしていました。
知恵その二 テニスで試合に勝つ決め手は、ドロップサーブ
知恵その三 子どものことでカンカンに怒っていても、電話がかかってきたら愛想良く出ること
そういう母が、わたしたちは癪にさわったものです
知恵その四 だれに対しても重要人物に接するという気持ちで
おばあちゃまと会った人は皆、自分が特別な人間という気持ちになりました。おばあちゃまが心からそう思って接していたからです。
知恵その五 配偶者のことを誇りに思いなさい
知恵その六 なにをおいても家族をいちばんに
知恵その七 あたりまえのことを大切にする親でありなさい
知恵その八 わが子の基礎をつくり、そして翼を与えなさい
わたしはこれを肝に銘じなくては。おばあちゃまとおじいちゃまはみごとでした。自分たちの価値観を幼いわたしたちに教え、それはわたしたちのなかにしっかり根づきました。そしてしかるべき時期がくると、わたしたちを自由にしてくれたのです。
知恵その九 どんな時も楽しむことを忘れずに

 

「スケールの大きな考えかたをしてください」

 

「このひとことをいうまで、三〇年以上かかりました。父さん、約束したとおり学校に戻って学位をもらったよ」
好奇心旺盛であくまでもわが道を行くタイプの子どもを持つ親御さんに、ぜひともお伝えしておきたい。わが子に託した夢を決してあきらめないで欲しい。ある日、思いがけない形できっと実現するだろう。そしてあなたははかりしれないよろこびを味わうことになるだろう。

 

わたしたちはひとり残らずともに生きる仲間である

 

人生は最高の教師である。人生が与えてくれる深い教えは科学的な研究を通じて解明するものではなく、たいていは経験を通じて初めて気づくものである。わたしたちは皆、ある目的を果たすためにここにいる。人格を磨いて愛を学ぶことだ。それは敗北と勝利を通じて、所有することとしないことを通じて、成功と失敗を通じて実現できる。わたしたちにできることはひたすら心をひらいて現場に臨むことだけ……いまの状態をすべてととらえるのではなく、ここからどういう行動を起こすのか。それが目的へとちかづく道にちがいない。現場に立たない者にはなにも手に入れることはできない。
(「失われた物語を求めて」byレイチェル・ナオミ・リーメン) 

 

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